近年、投資の世界では「高金利」を謳った商品が増えてきました。一見、魅力的なリターンに目が行きがちですが、その背後にはどのようなリスクが潜んでいるのでしょうか?
本記事では「悪魔的金利商品」の実態と、その背後に隠れるリスクについて詳しく解説します。
悪魔的金利の一例
BTC(ビットコイン)
BTC(ビットコイン)は歴史的に最初の暗号資産として知られ、その価値や信頼性から多くの人々に認知されています。BTCはデジタルゴールドといわれ、長期的な値上がりが期待できるため、Buy&Hold戦略で放置している方が多いです。このような側面もあり、プールニーズが高く、運用金利は低めになっています。※魔界金利と比べた場合です。
ETH(イーサリアム)
ETH(イーサリアム)は、スマートコントラクト機能を持つ暗号資産として注目されています。この機能により、多様なアプリケーションやプロジェクトが展開されているため、ETHのネットワークは非常に活発です。こちらも保有者が多いのでCEXなどでの運用金利は低めです。
XRP(リップル)
常に暗号資産の時価総額でTop10に入っている銘柄です。特に送信が速く、数十秒で着金が完了します。国際送金ニーズをカバーする銘柄で、長期保有銘柄ではありません。取引所などでの運用金利は高めかもしれません。
USDT(テザーコイン)
CEX名 | APY |
---|---|
OKX | 249.31% |
KuCoin① | 113.44% |
KuCoin② | 100% |
Poloniex | 100% |
BitMart | 50% |
WhiteBIT① | 18.64% |
WhiteBIT② | 16.76% |
WhiteBIT③ | 15.77% |
WhiteBIT④ | 13.75% |
米ドル連動の暗号資産です。なぜこれほどの金利商品があるかというと…キャンペーンの側面が強いといえます。価格の安定している暗号資産を高金利で運用できるという宣伝をし、より多くのユーザーを呼び込もうとしています。預入金額や期間に制限があるので、詳細は各CEX公式サイトで確認して下さい。
悪魔的金利を友達に教えてはならない理由
- 取引所自体が倒産する可能性がある
- 取引所自体が逃げる可能性がある
- 取引所自体が取り締まられる可能性がある
- 操作間違いで資産が消える可能性がある
- 暗号資産のボラティリティリスク
取引所自体が倒産する可能性がある
暗号資産の取引所は、過去に大規模なハッキング事件に見舞われ、多額の資産を失った例があります。友達が投資した資産が一瞬で消えるリスクがあるため、紹介したあなたが責められる原因となり、友情に深い亀裂が入るかもしれません。
具体例
友達の家のリビング。テレビのニュースで取引所の倒産が報じられている。
友達(驚きの表情で): 「え、これってあの取引所じゃない!? 俺、ここに全部入れてたんだけど…」
あなた: 「本当に!? ごめん、俺が紹介しなければ…」
友達(涙ぐみながら): 「なんでこんなことに…。お前が言ってたから信じて投資したんだよ。」
あなた(うつむきながら): 「一定額は金融庁に補償される…」
友達(悲しそうに): 「え…!?」
あなた:「補償されるのは日本国内の取引所だけ…」
友達(呆然として)「あぅぅぅ…」
取引所自体が逃げる可能性がある
詐欺的な取引所が資金を持ち逃げするケースも報告されています。友達が大損することで、あなたが詐欺師としてのレッテルを貼られ、絶縁の危機に直面する可能性があります。
具体例
カフェのテラス席。友達がスマホを見ながら焦った表情をしている。
友達(声を震わせて): 「あの取引所、サイトにアクセスできないんだけど…。ニュースで持ち逃げしたって言ってるよ!」
あなた: 「え!? それ、俺が紹介したところだよね…。」
友達(怒りの表情で): 「全然連絡取れないし、サポートも反応なし…。お前、俺を騙したのか!?」
あなた(慌てて): 「そんなつもりじゃなかった…。なんといったらよいか…うぅ」
友達(涙目になりながら): 「ぬぃぃぃぃ!」
取引所自体が取り締まられる可能性がある
規制当局が不正行為を行っている取引所を摘発することがあります。友達が投資した資産が凍結されるリスクがあり、あなたに対する信頼が失われ、悪評が立つ恐れがあります。
具体例
公園のベンチ。友達が震えながらスマホを見ている。
友達(声を上げて): 「見てこれ!あの取引所、規制当局に摘発されたって!」
あなた: 「え、マジで!? それ、オレが勧めたとこ?」
友達(怒りを隠せない様子で): 「うん、全部凍結されて出金できないってさ。こうなったら取引所に突撃だ…一緒にいこう。」
あなた(申し訳なさそうに): 「ごめん…遠いから行けない。」
友達(悲しそうに): 「セイシェルってどこにある国だろう…。」
操作間違いで資産が消える可能性がある
暗号資産の取引は複雑で、一度間違えると取り返しのつかない事態にも。特に送金操作には気を付けなければなりません。銘柄によってはチェーンがいくつか設定できる場合もあります。また、タグといった別途設定値が必要な場合もあります。異次元の金利で増やした資産も操作ミスで簡単に消えます。
具体例
友達(震える声で): 「あ、あれ?あれれ! なんで着金が…。間違えた!」
あなた: 「どうしたの?」
友達(涙目で): 「全部消えた…。お前が教えてくれた取引所で、操作ミスしたみたい…。」
あなた: 「大丈夫、サポートに連絡してみよう。」
友達(怒り混じりに): 「英語しゃべれないよ!!」
あなた: 「いや、このサイトの運営はチャイニーズ…」
友達(突然笑って): 「ニーハオくらいしか言えないよ!!」
暗号資産のボラティリティリスク
異次元金利で増やした暗号資産もちょっとしたことで暴落する可能性があります。100トークンが200トークンに増えたとしても、円やドルに換算すると1/10になっているということもあります。友達がそれを知らずに絶望する可能性もあります。
具体例
屋外のバーベキューパーティー。友達が焼き網を固定しているところ。
友達: 「おい、この前教えてくれた暗号資産、市場価格が下がってるぞ!」
あなた: 「あぅぅ」
友達(焼き網を強く叩きつける): 「あぅぅって…! 俺、大金入れてたんだぞ!」
あなた: 「ごめん、でも長期的には…」
友達: 「長期的には何だよ!」
あなた: 「長期的にはもっと下がる可能性も…」
友達(しばらく沈黙して): 「…ウソだろ!」
高金利商品にまつわる詐欺
項目 | 従来の高金利商品詐欺 | 暗号資産を用いた高金利商品詐欺 |
手法の透明性 | 一部の情報を隠蔽 | ほぼ完全な匿名性 |
追跡の難易度 | 比較的追跡可能 | 追跡が非常に困難 |
対象者 | 主に高齢者や情報に疎い層 | テクノロジーに興味がある若い層 |
被害の速度 | 中長期で被害が明らかに | 短期間で大きな被害が出ることが多い |
回収の可能性 | 法的手段が通用回収が期待できる場合も | ほぼ回収不可能 |
高金利商品と聞くと、多くの人々の心をくすぐるものがあります。しかし、その魅力的なリターンの裏には、多くのリスクが潜んでいます。
従来の高金利商品詐欺
従来の高金利商品詐欺は、投資家に対して非現実的な高いリターンを約束することで資金を集める手法を指します。これらの詐欺は、新規に参加する投資家からの資金を使って、初期の投資家へのリターンを支払う「ポンジスキーム」の形を取ることが多いです。
ポンジスキーム手法は初期の投資家への利益を新規投資家からの資金で支払うという構造を持っています。新規の投資家が増え続ける限り、システムは維持されますが、新規投資家の流入が減少すると、システムは崩壊します。
投資家を魅了するために、市場平均を大幅に上回るリターンを約束することが一般的です。詐欺師は、実際の投資先や資金の使途についての情報を隠蔽することが多い。投資家は実際のリスクを正確に把握することができません。
バーナード・マドフの投資詐欺は最も知られる例の一つです。彼は約650億ドルの被害を出す巨大なポンジスキームを運営していました。
暗号資産を用いた高金利商品詐欺
暗号資産の登場と普及に伴い、新たな詐欺の手法も生まれました。これらの詐欺は、従来の高金利商品詐欺と同じく、非現実的な高いリターンを約束することで資金を集めるものですが、暗号資産の匿名性や国境を越えた取引の容易さを利用して行われます。
2014年に日本の暗号資産取引所「マウントゴックス」が破綻。約85万BTC(当時の価格で約48,000万円)が失われました。この事件は、取引所のセキュリティの脆弱性や経営の不透明性が原因とされています。
北朝鮮のハッカーグループは、暗号資産をターゲットにしたサイバー攻撃を繰り返しています。これにより、数億ドル規模の資産が不正に移動されていると報告されています。
ICO(Initial Coin Offering)は新しい暗号資産を発行して資金を調達する手法です。しかし、プロジェクトが実現不可能であったり、運営者が資金を持ち逃げするケースも多く報告されています。
暗号資産詐欺に遭ってしまったら?
- 暗号資産の追跡
- 捜査機関への報告
- 弁護士や税理士さんへ相談
暗号資産の追跡
暗号資産の取引は公開されているブロックチェーン上で確認可能です。特定の取引所やウォレットサービスを利用していれば、取引履歴を追跡することができます。カギは取引所のKYC情報ですが、運営が怪しい取引所はKYCをしていない場合もあります。
また、匿名性を保つための技術やミキシングサービスを利用している場合、追跡は難しくなります。
捜査機関への報告
詐欺被害に遭った場合、速やかに警察や消費者センターに報告することが重要です。日本国内においては、早期の報告により、犯人の特定や資産の回収が可能となる場合もあります。これは日本国内の取引所が金融庁の監督下にあるというところが大きいです。
弁護士や税理士さんへ相談
詐欺被害に関する法的手続きや、損失に関する税務処理など、専門的な知識が必要な場面が多いです。弁護士や税理士に相談することで、適切な対応やアドバイスを受けることができます。
ただし、Web3情報に詳しくない担当に当たってしまうと法外な依頼料、報酬などを要求され特に何も進展しない場合があります。人選、もしくは事務所選びが大切です。
暗号資産詐欺の世界的な拡大
暗号資産の普及が進む中、その裏で詐欺事件も増加の一途を辿っています。国境を問わず、多くの投資家が高リターンの魅力に取り憑かれ、詐欺師たちの罠にはまり込むケースが後を絶ちません。
暗号資産詐欺が広がる背景
暗号資産の普及とともに、新しい投資機会としての魅力が高まっています。しかし、その匿名性や国境を越えた取引の容易さから、詐欺師たちもこの新しいフィールドに目をつけました。また、多くの人々が暗号資産の仕組みやリスクを十分に理解していないことが、詐欺のターゲットとされやすい背景となっています。
暗号資産詐欺をする国やグループ
暗号資産詐欺は、個人や小規模なグループから、国家レベルの組織まで幅広いアクターによって行われています。特に、国際的な制裁を受けている国々や、経済的な困難を抱える国々では、暗号資産を用いた資金調達や資金洗浄が行われることが報告されています。
国防と暗号資産詐欺
暗号資産詐欺は国家の安全保障にも影響を及ぼす可能性があります。例えば、テロ組織が暗号資産を用いて資金を調達したり、国際的な制裁を回避するために暗号資産を利用するケースが考えられます。これに対応するため、多くの国々で暗号資産に関する規制や監視体制の強化が進められています。
まとめ
悪魔的な金利商品は一見魅力的に見えますが、その背後には多くのリスクが潜んでいます。友達に教えることで、彼らの財産や信頼を失う危険性が高まります。この記事を通じて、そのリスクを正しく理解し、賢明な投資判断を下す手助けができれば幸いです。
読者の皆様には、情報を正しく活用し、安全な投資活動を続けていただきたいと心から願っています。最後に、貴重なお時間を割いて記事を読んでいただき、心より感謝申し上げます。
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